NEW

【推薦文】new! 中野成樹+フランケンズ主宰 中野成樹

suisen

=vol.3によせて=
“いつ高”シリーズにはドーナツ盤のよろこびがあります。
iTunesなんかであれやこれや何時間も続けて音楽を楽しむのではなく、10曲入りのアルバムでその世界観を味わうわけでもなく、AB面に一曲づつ、5分くらいの歌が入っているレコード。いわゆるシングルというやつです。そしてシングルは特別な存在でもあります。求められるのは、“作者の視点”なんかではなく、道行くあなたを、あるいは歩けなくなった君を、とにかくまずは一緒に歌わせること。曲調は明るくてもいいし、切なくてもいい。激しくてもいいし、ゆるやかでもいい。でも、とにかくみんなが歌ってくれなきゃシングルじゃない。

今年1月に上演された“いつ高”第二弾の『校舎、ナイトクルージング』。僕は新年に観て、すぐ6月に自分の劇団でそれを上演しました。自分もいますぐに歌いたくなったのです。なので、みなさんも“いつ高”を観て、そして歌うといい。新曲(戯曲)楽しみです。

中野 成樹
演出家
(中野成樹+フランケンズ)


=vol.3によせて=
この夏、三浦さんはいわきで、20人の女子高生と過ごした
三浦さんは毎日少しずつ、生徒達に自分の10代の頃の話をしてくれた
一回り年上のお兄さんが話してくれる、高校時代のアレコレに
笑い転げたり、時には本気で引いていた彼女たちの輝きはハンパなかった
校庭、お弁当、制服、休み時間、ダサいジャージ、放課後の教室
あの頃のわたしたちにとっては当たり前で、なんでもない日々が
実はとてつもなく尊い、きらめきそのものであるということに
気が付くのは、いつだってその世界を失ってからだ
守られている時間の儚さよ!

高校生が高校生であることの尊さに、高校生のうちに気づくことができれば無敵だ
だから、現役高校生はいつ高シリーズを観るといい
あの世界の、まさにリアルを生きているみんなが
今の一瞬一瞬の尊さに気が付いてくれればと願う
そして多分、三浦さんは、そんな高校生の一瞬一瞬を
最大限に魅力的に描くことができる青春ゾンビなのかもしれない

その証拠
そんな青春ゾンビに魔法をかけられた彼女たちは
今でもキラキラと発光し続けている

 齋藤夏菜子
福島県立いわき総合高等学校 芸術・表現系列(演劇) 教諭


=vol.2によせて=
三浦さんは、たとえば高校の教室の中に、なんていうか、人が生きてく上での大事なことのすべてが詰まっていて、だからその場所を舞台にすれば、すべてを描けるという仮説に挑んでいて。今までもずっとそうしてきた。中卒の人はどーしたら、などという野暮なツッコミは無視で。それは信じてるからやるわけではなく、すでに信じてるなら、やんなくてよくて、仮説だから、不確かだから、やる、ってのが演劇で、演じるってことは、そういうことかもしんないなあ、、、、、これはきっと、これを見に来るだろう高校生に向かって呟いている。

飴屋法水


=vol.2によせて=
高校生の時、隣りのクラスに地味な感じの女の子がいて、まぁ特に接点もなく、話す機会もなく、っていうかお互い興味がなく、顔は知っている程度の関係だったんですが、ある日、授業をさぼって本厚木の映画館に「プリティ・リーグ」を見に行ったら、その子もサボって見に来ていたのでした。それから2人は恋に落ち、若さに任せて週8でセックスをして…ということはなく、それ以降も一言もしゃべることなく、でもお互いに、ほんのちょっとだけ意識しながら廊下ですれ違い、きっと同じ理由で授業がやってられなくなって映画館に逃げ込んだのさと想像したりしていました。好きでした。
以上が、いつ高シリーズの前作を見て忘れていたけど思いだしたこと。いい作品は観た人の記憶の引き出しを開けさせる、といつも思う。現役の高校生は、今の自分が「いつか誰かの作品のモチーフになるような時間の中を生きている」と感じるだけでも、素敵な観劇クルージングになると思いますよ。

福原充則
脚本家・演出家
(ピチチ5主宰/ニッポンの河川/ベッド&メイキングス)